風isI?の後日談〜アイドルが一人の女を救った話〜

私はペットを飼っていた。

犬でもなく、猫でも、ハリネズミでもない。
身長165cm。細い。酒が好き。よく眠る。
見た目は可愛いがとにかく躾がなっていない。
美味しい餌と快適な寝床、それだけ与えていれば、ひとり暮らしの寂しさから私を救い出してくれる。そんな、ペットを飼っていた。

ということで、働かない彼氏と3年ほど暮らしていました。私には元々仕事人間の素質があったらしく(もちろん仕事が好きだったということもあり)、彼の働かない期間が長くなればなるほどみるみる増える私の仕事量。
今思えば知り合いのいない東京でひとりになるのが怖かっただけなのだと思います。心配した友人が力づくで別れさせようと必死になってくれたのにもかかわらず気付けば3年経過。彼氏働く気配なし。私仕事にのめり込む。泥沼。

当時の口癖
「だって今大地震が起きたら私がここに住んでるって知ってて私を助けてくれるのは彼しかいないんだよ!?」
起きてもいない大地震のために他人に保険をかけるこの依存心。典型的なヤバい女です。

そんな閉塞感あふれる日々を過ごしていたある日、新しい趣味ができました。菊池風磨くんです。そう、数年ぶりのジャニオタ復帰!
風磨くんを知って、私の生活は少しずつ変わっていきました。

・ラジオを聴きたい→残業を減らして早朝出勤に切り替えたら人間らしい生活を手に入れた

・風磨くんのことをもっと知りたい→Twitterをはじめた。人生を満喫しているオタクの友人にたくさん出会えた

・コンサートに行ってみたい→FC入会。人生初の一人遠征。名古屋を満喫して死ぬほど楽しかった。以後一人旅が好きに

オタクという趣味に全力投球するにつれて、自分の生活に疑問をもつようになった。「私…これでいいのか?」自問自答を繰り返す日々が続きました。

そしてやってきました8月8日。SummerParadise2017 風isI?
風磨くんにとってはオーラスで、私にとっては(最初で最後の)初日となる公演。はじめて足を踏み入れた、風磨くんの世界。

風磨くんは、何度も何度も、「今この瞬間を悔いなく生きる」ことの大切さを伝えてくれました。時には泣きながら叫ぶような声で、時には溶けるような優しい笑顔で。そしていつも大切な仲間たちと共に。

大切な人に恥じない人生を生きたい。

照れた顔で、でもまっすぐに前を向いて。彼はそう言っていました。その言葉を聞いた瞬間、「あ、わたしだめだ…」と思った。せっかく目の前に風磨くんがいるのに、楽しみにしていたステージがあるのに、自分自身について考えて泣けてきてしまうくらい。私にとっては殴られたみたいな衝撃でした。

ステージに人生を誓った風磨くんの姿は多分一生忘れない。




帰宅したあと、興奮覚めやらず、この話を彼にしてみました。もっと今を大切に生きたいし、あなたにもそういう風に生きて欲しいと。

その返事がこちら。

「そういうのって現実で苦労してないから言えるんだよ。みんな現実と折り合いつけて諦めて生きてるんだから。何、意識高い系?」


はい、秒で別れた。 
こうして私はひとりになった。

(※初めて「秒で」という若者言葉を使ってみたが、本当に秒だった)







働いてくれない彼氏と、私の名前すら知らないアイドル。こうして並べてみると中々地獄の沼である。だったらせめて前を向いて生きているひとにお金を使いたい。だからこの選択に全く悔いは無いし今とても楽しく生きています!
 
「応援」は一方通行な行為だと思われがちだけど、決してそんなことは無いと思う。健全な応援は、ちゃんとキャッチボールだ。投げた想いやお金は、たとえ相手がそのことを認識していなくても、きっと何かの形で返ってくる。
自担に新しい仕事が決まったとき、凹んだ時にラジオを聴いて死ぬほど笑って立ち直ったとき、コンサートを楽しみに仕事をがんばっているとき。確かに、私は自担からボールを受け取っている。笑顔とか、やる気とか、オタ友とか、想い出とか、そんなボールを。
自分の力だけでは上手く自分に投げてあげられないものを、自担から受けとる瞬間。きっとおたくなら誰しもあるんじゃないかなあ。
この夏、風磨くんは私に豪速球をぶん投げてくれた。受け取った「負けんなよ!」を胸に、今日もアラサーの夏を生きる。







机の上に積まれた、お盆に読みたい本。
ベッドサイドに増えた風磨くんの写真。
アイスクリームの乗ったメロンソーダ。
毎朝の六本木で、遠くから聞こえてくる
オタクたちのキラキラした声。
水道橋ではじめましてした素敵な人たち。

私なりに、小さな夏の思い出も増えてきた。

相変わらずパリピにはなれないけれど、
もう今のところ現場も無いけれど、
(チケット見つかるといいな…)
今年の夏は、なんだか楽しめそうな気がする。


どうか風磨くんと風磨くんの大切な人たちも、最高の夏を過ごせますように。
そう思いながら、今日も応援に励みます。

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